白夜の空

まんがタイムきらら作品の感想とか。

まんがタイムきらら2023年6月号感想

 きらら無印感想です。

 

 

 

『星テレインフォメーション』

 星屑テレパスアニメの放送時期が決定。楽しみですね。

 場面写真も公開されてます。こうしてみると海果さんもいろいろ表情豊かですね。確かに困り顔と泣き顔の印象が強いのですが、それだけに時々見せる満面の笑みが尊い。そしてカラーになると髪のグラデが本当にきれいだ…。

 悪い宇宙人もアホみたいな顔しててかわいいですね。彼女もシーンごとの表情の変化が極めて印象的な場面が多いので、ぜひそのへんには力入れた作画をしてほしいところ。

 

『星屑テレパス

 扉絵のユウの絶妙な表情が実に良いですね。おでこぱしーの象徴である額だけに光が当たって顔には陰が差している表現が今のユウの精神状態を的確に表現している。もともとはユウ→海果への救済の一面が強かったおでこぱしーがいつの間にか逆転してしまったという構図を表しているのでしょうが、そう考えるとユウの表情も救済を求める苦しみのものに見えてきてしまいたいへん心苦しい。

 遥乃&瞬はほんといいコンビになりましたね…みんなの気持ちを慮っていろいろ気を配る遥乃と、方向性を決めたらグイグイいく気迫とそれを可能にする能力を持つ瞬の相性が良すぎる…。そんな二人も「宝探し」についてなんらかの行動を起こすようですね。

 悪い宇宙人はまだまだ悪いモードが続いてしまってますね。少しずつ成長する海果を最初から隣で見続けてただけに、変化を恐れ独占欲を消そうと自己嫌悪のらせんに陥ってしまってますね。思えば海果にとって初めての理解者であり友達でもあったユウですが、逆もまた然りなんですよね。宇宙でどんな宇宙人をやってたのかはまだ明らかになってないのですが、彼女の求めている「仲間」ってのはほんとに実在するのか、はたまた本当に「悪い宇宙人」だったりしないですか……?「ちゃんと宇宙人でいてあげられなくて」というセリフが実に今の彼女の歪みを象徴してますね。そこに対する海果の返答と決意表明はちゃんと聞こえてましたか……?

 そしていよいよはっきりとユウへの思いを口にして覚悟の決まった海果で〆。それでも「私よりも大切な仲間でも」と考えているあたり少しすれ違いが続いているのが心配ですが、たったひとりの決意を見せてくれる次回が楽しみで仕方ない。

 

『かみねぐしまい』

 絶賛新連載2話。

 水をぶどう酒に変えるとかこの神ガチなやつですね…?これは流石に信じざるを得ないやつ。そして願いを叶えられるのは一人だけという条件を知り、「自分の願いを叶えたい」よりも「アイツの願いを叶えさせるわけにはいかん」というのを決意する双子。こいつら仲は悪くてもお互いめちゃくちゃ意識してるし理解してるな…。

 今のところ、にこみ先生の過去作に通じる大変おもしろい人間関係を見せつつ、過去2作と比べるとかなり関係性のこじれは少なく読みやすく仕上がってるのかな…という感じです。もちろんこれから散々こじれてもいいよ。

 

『きもちわるいから君がすき』

 いったんスイッチ入るとめっちゃグイグイ来るなこいつ。というわけでまたしても透ちゃんを迂遠な策略で辱めて自分の欲求を満たす神戸霧乃さんでした。描写はされてないけど冷水機に張り紙貼ったの絶対お前だよね!

 そしてそんな一方的蜜月関係を静かに見守るきもすきのやべーやつ筆頭。

 意趣返しのラブレターで宣戦布告され、なぜか武士みたいな口調になる神戸さんなんなん?面白すぎるでしょこの女。「透ちゃん見守り隊の騎士(ナイト)」とかいうネーミングもあまりにもダサいしもうこの内面でクールキャラ気取ってるという段階で何を言っても締まらないね。というかこんなおもしろ内面を普段よく隠せてるな…。

 そんなわけで屋上での対峙で〆。平成ライダーだったら次のコマで「「変身!」」ってやってバトるやつだよこれ。そもそもよく考えたらこいつら本質的には別に利害対立はしてないし、うまいこと腹を割って話したら和解できそうな気もするし、そんなところもライダーバトル展開っぽいな。

 ここにきて柱煽り文がちょっときれいなこと言って済まそうとしてるけど、もうその路線は無理なんです。ターン制変態百合バトルとは言ってたけどほんとにバトル展開になるとはね…もうこの作品どこいくのかぜんぜんわからん。

 そして最後の掛け合い、かつて雪の美しさを永久保存してみせた依子と、溶けて消えることが雪の美しさと認識している神戸の対比が美しい。このちょっとしたやりとりで絶対に相容れない存在と読者へ示しているんですね。やっぱこれバトル漫画の文法だよ!

 

『ほぐして、癒衣さん。』

 まったく初対面の献血のひとにもカワちゃん大好きっぷりを見透かされる癒衣さん。

 そして疑似出産立ち会いからの汗からのやりとりでお互い墓穴を掘りあうふたり。なんなんですかねこの馬鹿ップルぶりは。

 

『さいはてララバイズ』

 今月のゲスト。

 ガチSFな題材の選び方や、漫画というよりはイラストに近い独特の描線の取り方などかなり独自性が高くて目を引くゲストですね。

 それはさておき、中盤移行めちゃくちゃ説明セリフが多くてテンポがかなり不安定になってるのとか、イラストの画風があまり白黒原稿や4コマフォーマットに慣れてない感じだったりと荒削り感が強いですが、そこが逆に味になってるかなとは思いますね。かつて存在したまんがタイムラクにいそうな方向性というか。

 どちらにしろかなり個性的な作品だったのは間違いないので、是非次回作以降も見てみたい作家さんですね。次回に期待。

 

 大体感想挙げる作品が固定化されてきてて面白くないなとちょっと思うのですが、まあ好きな作品の感想書くのが楽しくてブログやってるわけなので、無理にバラけさせなくてもいいかなと思うことにしました。