白夜の空

まんがタイムきらら作品の感想とか。

『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』アニメを見ました

 年明けあたりにラブライバーなお友達に誘われて『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のライブBDを見たんですよ。なかなかいいなーと思ってアニメを見ることにしたら、まんまとハマってしまったので感想を書き綴っておきます。おもに後で自分で見返すためのものなのであまりまとまりのある文章にはならないと思いますが。

 ちなみに見たのはアニメ1期、2期、OVA『NEXT SKY』、『にじよんあにめーしょん』です。それ以外に各シングルのドラマCDやソシャゲ、ライブ、そもそもの雑誌企画とか見るものがめちゃくちゃあるようですが、まあ気が向いたら順次履修することにします。

 

 1期2期ともにシナリオの完成度がとても高いですね…。短期的な展開と中長期的な伏線のバランスがとても良い印象。あとから見返すとちょっとした一言が後の行動のための溜めになってるところが多すぎて見返すのが楽しかったです。1話の「私の夢を一緒に見てくれる?」とかね…。

 ラブライブ!どころかアイマスとかアイカツとかバンドリとかといった女の子が芸能活動する作品をそもそもほとんど触れてこなかったのですが、流石はいろんな作品が作られてるだけあって、目標に向かって努力していくのはわかりやすいカタルシスを得られてよいものだと思いました。群像劇的にいろんなキャラ達の関係性を構築しつつ、それぞれのやり取りによって変化や成長を見せていくやり方も相当こなれてるように感じますね。

 

 

・好きなエピソード

1期3話『大好きを叫ぶ』

 ラブライブ!シリーズは全然知らなくても、ラブライブっていうスクールアイドルの甲子園みたいなやつを目指すってことくらいは知ってたので「ラブライブなんて出なくていい!」は衝撃的ですね。まあそりゃリアルの部活でもぜんぶの学校が全国目指してやってるなんてことはぜんぜんないですし、そういう在り方もありなんだというのをシリーズ続くうちに提示するという役割もあるのですかね…全然知らんけど。

 ところでやっぱり侑ちゃんこんなに情熱的に好き好き言うのってせつ菜だけだよね…。やっぱり特別なのかな…。

 

1期6話『笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)』

 表情がうまく作れないってそんなに気にすることかな…と最初は思いましたが、たしかにほかの子が笑顔で歌ってるなかににほとんど真顔で歌う子が混ざっているのは違和感がすごいんですよね。璃奈さん性格的にはわりと陽のひとっぽいだけに辛く感じることが多かったんだろうなあという回想が切ない。

 ラストでクラスメイトの子たちに誘われるシーンでも、素顔で笑みを見せるような演出にもできたと思うんですが、最後まで璃奈ちゃんボードでの表情表現を続けるあたりはボードに対してネガティブなものではなく彼女の個性を活かすためのアイテムのひとつとして描いているという意図を感じましたね。バランス感覚が大変良い。

 

1期12話『花ひらく想い』

 侑ちゃんは歩夢には一貫して「かわいい」って言ってるのはよい。

 1話と同じ階段で1話と同じようにたったひとりに向けた歌を歌うなんてもう最終回ですよね。実際ほぼ最終回なんですけど。歩夢さんの歌声はどの曲でもすさまじい可愛さと一途さが溢れていてすばらしいですね…。歌詞がド直球にヤバい『Walking Dream』をあそこまでかわいさでカモフラージュしてるのは本当に只者ではない。

 

 

2期2話『重なる色』

 同好会の活動を否定するランジュに対して強く気にかけている4人が、1期にて本心を隠していた相手に踏み込んだ経験のあるエマ&彼方&かすみ、逆に踏み込んできてくれた相手がいて今でも自分の本心を伝えることに思慮している璃奈という人選がよいですね。時系列的にはユニット編成が先にあった上で共通項を生かした脚本ができているんでしょうが、うまくハマっていたと思います。それにしてもQU4RTZのメンツはかすみんのツッコミ負担が強すぎる…。まあ自分よりマイペースな奴らにツッコミ入れてるときにも輝いてますけど。

 

2期6話『"大好き"の選択を』

 しずくとエマに左右から責められるせつ菜さんいいですよね…。なぜかアマゾンビデオだとサムネになっている。

 「始まったのなら、貫くのみ!でしょ?」をここで本人に返すのは2期でいちばん好きといってもいいくらいです。あまり自覚はなさそうですけど1期最大の危機を回避するきっかけになったセリフですからね。歩夢さんもやはりせつ菜に救われていたと改めて言及してくれているあたりの構成が丁寧。

 ところで正体がバレそうなせつ菜のフォローするしずくさんの演技がクソみたいな棒でひどいですね。お前普段の演技力どこへやった。

 

2期7話『夢の記憶』

 ほとんど表情の変わらない栞子を一瞥しただけで何かあったと察する薫子さんはさすが肉親だけありますね。

 『EMOTION』のライブ映像もとても良い…。レトロ調の衣装とアンティーク風のステージセットの統一感、イントロの無表情でのダンスからサビでは一転して満面の笑みを浮かべているところ、特にサビラストに腕で隠した顔を見せるところはいちばん好きです。時計が動き出す演出もベタですが定番ですよね。

 そして栞子を迎え入れて穏やかな盛り上がりを見せる同好会メンバーの裏で寂しそうな顔をする嵐珠がほんとうに辛そうで悲しい。明らかにこの栞子の行動が致命的な一押し/Fatal Push となってますよね…。常に強気を装っている嵐珠でしたが、奥底にある本心は「友達がほしい」というシンプルなものだっただけに、唯一の友達であった栞子が同好会側に回ってしまうのは喪失感と敗北感がはかり知れないですね。

 

2期13話『響け!ときめき――。』

 アニメ内でリアルファンからの手紙を掲載したりと作中と現実との境界線を揺るがせておいて、最後の最後、EDのイントロが流れてこれで全部終わったかなという油断するタイミングで「次は、あなたの番!」と急にこちらを殴ってくるのはかなり効きましたね…。もちろん侑ちゃんがメタ認識しているというわけではなく、空のもとにいるまだ見ぬスクールアイドル候補を想って放った言葉であり、OVAへのつながりでもあるんですが。

 侑ちゃんのライブ前の挨拶でも言及されていましたが、最初のときめきに従って活動を始め、仲間とともに活動を続けてきたことで、同好会を再建しさまざまな成功を治めることができた。でもそれは特別なことではなく、いつでも誰でも自分のときめきに従って動き出していい、皆が皆を応援しているという寄り添い方がとても陽性で眩しいほどです。

 

 

・好きなキャラ

天王寺璃奈

 無表情でありながら無感情ではなくてむしろ人懐っこくてグイグイくる系なのはギャップがあってかわいいですね…。 

 少しずつは変わっているものの基本的に無表情のまま最終回まで変わらなかったのは安易でなくて好きです。それでもちゃんと仲間やファンに対しては意思疎通ができており、ファンの子たちからも璃奈を支えようと愛されているのは2期最終回でもはっきり表現されてましたね。最初は心配するような様子だったファンの子が、素顔で登場した璃奈の思いを察してサポートするのは、相互的なツナガリを求める璃奈の理想がしっかり伝わっていたということで感慨深いですね…。

 ところで髪型がきしめんみたいで独特だよね。かわいい。

 

優木せつ菜

 生徒会長とアイドルの二重生活をこなしながらもアニメやゲームが大好きで熱血でちょっと抜けてるところもあって料理ができないとかいろいろ属性が過剰なんですよね…。

 再生以降の同好会でもつねに自分の「大好き」を隠さない揺るぎなさが眩い。

 楽曲もどれも炎属性!って感じの力強いものばかりで全部好きです。A・ZU・NAのかわいい系の楽曲のなかでもセリフや表情でそのカッコ良さを隠しきれていない自我の強さも好き。

 

中須かすみ

 まあ本当に子犬のように愛くるしい子ですね…。せつ菜とともに最初から最後までお話を引っ張り続けていて見ていて小気味よい。

 本人的にはみんなをリードしていきたいという欲求が強いようですが、ほかの同好会メンバーが…あまり積極的にコミュニケーションの初手を取りにいく気のない子(歩夢、果林、栞子)とか、そもそもの感性がふわふわしてる子(せつ菜、彼方、エマ)が多いせいで、ほとんど常にツッコミ側に回らざるを得ない状況が多いのはなんだか不憫でかわいいところですよね。マイペースで我が強いしずくと璃奈や、打てば響く嵐珠やミアと仲良くなるのはとてもよくわかる。

 

三船栞子

 2期からの登場で出番が少ないのであまりキャラが掴めていないのですが、OVAで準主役の出番があってそれなりに分かった気もします。顔と声が好きなんですよね…。八重歯もあってだいぶ幼い顔立ちの割にとても大人びていながらも、まだ空回り気味なところもあるというギャップがよい。

 まあ嵐珠、ミア、栞子はゲーム版のほうのシナリオでいろいろあったとは伝え聞くのであんまり深掘りしたくないところもちょっとあるんですが…。

 

 

 

「やりたいと思ったときから、きっともう始まっている」

「始まったのなら、貫くのみ!」

「次は、あなたの番!」

 総評するととにかくこの3つの言葉が強く心に刺さりましたね…。惰性で生きる人生に活を入れるような素晴らしい作品でした。これからも応援していきたいと思います。