白夜の空

まんがタイムきらら作品の感想とか。

『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』感想

 お久しぶりです。

 

 今年初頭に虹ヶ咲アニメを見てからその話ばっかりしてますが、劇場版を観てきたのでその感想を。当然ネタバレありなので未見のひとは観てきてください。

 

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 なにはともあれ総評としては大変よくできた劇場版でしたね…67分という短めの上映時間をまったく感じさせないほどシナリオが緻密に練られており、ちょっとしたワンカットにもいちいち意味を持たせており見応えのある映画でした。MV5本をしっかり入れ込みつつ、ストーリーが今までの積み重ねの上の新しい描写としてそれぞれのキャラの新たな魅力を表現しているのには感服します。

 

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 この試聴だけでもわかるように各楽曲とMVもみんな素晴らしく魅力的でしたね…

 とくに「先手必勝です!」の一声とともに開幕から見せられた『Rise Up High!』は実に楽しそうに活き活きと踊るしずくちゃんがほんとうにかわいい。なんなんだその腹のハートは。

 

・歩夢&ランジュ

 歩夢さんはシーズンが進むごとの成長具合がとくにフィーチャーされてる子だけに、今回また更に一歩先へ進むことができているのが感慨深いですね。『Stellar Stream』のMVのワンカットで、デビュー曲からの衣装がズラリと並ぶカット感動的でしたよね。階段が印象的に使われているのも1期での階段ライブを思い出ささせてくれるよい演出でした。でもサビでお出ししてくるその多重影分身はどういう演出なんでしょうか…?にじよんで侑ちゃんが増えたからそれに対抗しているとか…?リアルライブではどんな表現にしてくるのかたいへん楽しみです。

 ところでその侑ちゃん人形はなんですかね歩夢さん…?自作…?侑ちゃんもおんなじフォーマットの歩夢人形持ってるのはお似合いですね……?お前が持たせたんじゃないだろうな?わたしはゆうせつ派なんですけど侑ちゃん2章で出番あるかなあ…あるといいなあ…。

 という感じで可愛さとカッコよさ芯の強さに突っ込みどころといろいろ盛り盛りでやっぱり虹ヶ咲のセンターに相応しい子だなあと改めて思いましたね歩夢さん。これからもどんどん個性を披露していってくれるとよいと思います。

 アニメ2期からの登場ということでやや描写が少なかったランジュについては、今回の劇場版で新しい一面が見れたってのはそんなにない気がするのですが、その分前作から地続きで彼女のスタンスとか心情がより理解しやすくなった気はします。ノッてるときはいいんですがメンタルが揺らぐとどんどん思い込みが激しくなって軽挙妄動に走るのはまだまだ改善できていないとこですね…優しさの表れでもあるとは思いますが。

 

 ランジュが歩夢のことを尊敬してるという発言、これから歩夢に憧れてスクールアイドルを始める子がたくさん出てくるだろうという予感は、ランジュ本人がそうだっただけに説得力のある発言でよいですね…翼のアイコンといい今回の楽曲『PHOENIX』といい「飛ぶ者」として描かれたランジュと名前どおり「歩む者」たる歩夢を対比してくるのは、この二人をメインで絡めるにあたっての交点の見出し方が相変わらずテクニカルで虹ヶ咲のたいそう好きなところです。

 OVA『NEXT SKY』で主役級だった栞子に続いて今回のランジュとなり、完結編第2章でメインに据えられていそうなミアの活躍も楽しみです。

 

・エマ

 エマさんはアニメ1期の果林、2期のランジュと誰かが困ったり悩んだりしたときにちょっと無理やりにでも入り込んで寄り添いにいくのが持ち味ですが、今回も遺憾なく発揮されていましたね。今回ランジュが飛び出しそうになったところで即座に引き止めて話を聞くフェーズに移行させた手法が実に手慣れていて、いつもあっちこっちでこういうことをしていろんな子を助けているんだろうなあと伺えます。

 天ちゃんの悩みを聞き出すとき、「ゆっくりでいいから」って最初に言うことで既に悩み聞くことは規定事項だが?みたいな空気を作るのも本当に巧みでちょっとこわい。そして「競い合うなら相手の気持ちを感じてやっていきたい」って台詞は、すでに天ちゃんのことを競い合いたい相手とみなしているということですよね。このあたりなかなか優しさだけに収まらない強かさが見られて好きかも。歩夢と違って競い合うこと自体には特に躊躇いもない感じだったり、第一印象よりもだいぶ積極的に来るタイプで面白い子です。

 ところでエマさん初日で歩夢といっしょに食べてたハンバーガー、歩夢のやつより二回りくらいでかかったですよね…。朝食ビュッフェのときもランジュとかすみんの影に隠れてけっこう山盛りに取ってましたよね…。

 

・しずく&彼方

 先手必勝の女桜坂しずく。初期はわりと一歩引いた立ち位置が多かった彼女が先陣を切るのも成長を感じられます。

 この二人って原作初期のコミカライズ版では絡んでいたもののアニメだと特に関係性が深かったわけでもなかったんですよね…表面上はしずくちゃんが一方的にお世話して甘やかしているように見えて、内面的にはむしろ彼方ちゃんのほうが包容力と洞察力でもって静かに寄り添うように支えているのが王道の良い関係性ですね…。

 

・かすみ

 てっきりしずくと絡むのかと思っていたら相方を彼方さんに取られたかすかす。でも全然不遇じゃないというか、むしろいちばん縦横無尽に活躍してたまでありますねかすみん。ちょっとズルいことを考えてうまくいかない→なんやかんやで本人の想定外のところでウケて可愛がられるって流れが板につきすぎている。それだけならいつものかすみんですが、今回はそれに並行してランジュ&ママの和解のためにも尽力してたり、会場設営やアナウンスしたりと自分のライブを忘れてあれこれやっていて本当に人の上に立つものとしての素養に溢れすぎている。すごい。

 それでもやっぱりライブ見たかったなあ。やっぱり3章までお預けなのかなあ。

 しかし君ヘルメットも似合うな…

 

 

 そして舞台は第2章へ。2章はカットインの立ち位置や明らかにミアの縁者っぽい謎の新キャラといい、璃奈&ミアがメインになるんでしょうね。せつ奈、栞子、DiverDivaコンビと楽曲的に実に強そうな面子が揃っているのでたいへん楽しみです。