先月読んだ本について。
2月は漫画もふくめわりといろいろ本を読めた気がする。
『世にも奇妙な人体実験の歴史』
数年前に買って積んでたやつ。
あらゆる分野について自己犠牲によって科学の発展の礎となった科学者たちの覚悟がみられて敬意を表さざるを得ない。70代にもなってプルトニウムの残留経過を算定するために飲んだり注射したりした結果、鉛の棺で埋葬されたヴォイス博士とかすごいね…。
まあいっぽうで孤児院の子供や捕虜を使って(今から見たら)非人道的な人体実験を行っていた歴史もいっぱい載ってはいるんですけど。
『人間はどこまで耐えられるのか』
↑のが面白かったので似たようなテーマでもう1冊読んだ。結論としてはどっちかだけで良かったかな……という感じ。表紙は味があっていいと思う。
『映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~』
最近話題のファスト映画。
単純にタイパ意識だけの話でもなく、コミュニティ内でマストチェックとされた作品を和の維持のために視聴しなければいけなくなるって話がけっこう切実で身につまされますね…作品のことを「履修」とかいうのはあまり行儀がよくないなあと思いました。
「個性的すぎない個性を積極的に発信すべし」という強迫観念から「拠り所になる好きなものを手に入れる」こと自体が目的になるものの、「オタク」と自称するともっと知識や熱意のあるひとに勝てないので「推し」という言い回しが流行ってきているという考察が。
ツイッターなどでは深く考察して「正しい」感想を述べてるひとがいるから感想の深さでは勝てず、それを見て乗っかればいいから作品自体は倍速視聴しても何ら問題ないという指摘もとても正鵠を射ていますね…。時々言ってるけど、ツイッターで感想を表現するときって表現や語彙を盛りまくってめちゃくちゃ大げさにいうのが正義みたいになってるのは好きじゃないですよ。古いかもしれないけどなるべく自分の言葉で思うまま素直に表現した感想が大事だと思っている。
まあわたしも早送りはしないけど映画とかアニメはながら見で音だけ聞いてるってことがしょっちゅうあるしそんなに興味のない音楽はサビしか聞かないからあまり他人事ではない。「自分の上位互換がすぐに見つかってしまう地獄」というネット社会の評もあまりにも刺さる。つらい。
『図説 鉱物の博物学』
旅行先で鉱物展みたいなやつに行って表紙がかっこよかったので購入。
適当に眺めているだけで楽しいのでよい。
『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』
DPZにも寄稿してたきだてたく氏なんかが文具についての対談する本。
ジェットストリームとフリクションボールがいちばん重要って結論は納得ですね。あんまりペンにこだわりはなかったけどジェットストリームの書き味はそれまでのとは違うってのが一瞬でわかった。
「カドケシはパッと見新しかったからその後変な形の消しゴムがいっぱい出たけど、カドケシがそもそもべつに消しやすいわけじゃなかったからすぐ全部消えた、残ったのはシンプルに細かいとこを消せるスティックタイプ消しゴムだった」みたいな話は面白かった。確かにカドケシって面白いだけで別に使いやすくはなかったな…。
これ出てから5年経ったけど新しくエポックメイキングな文具は出てるんですかね。
『バッタを倒しにアフリカへ』
見た目に騙されてたけどめちゃくちゃ真面目にアフリカの自然科学や昆虫学について研究してるひとだった。アフリカの文化に躊躇なく入り込んで同化しながら研究進めていくバイタリティすごいね。
外国人はナメられるからって知り合いのアフリカ人を間に立てて価格交渉して、まとまってから本人が出てくると「外国人にはこの値段で売らねえ」とか難癖付けられてもうるせえ知るか!って買うってエピソードがなんか好き。
今月はこんな感じでした。
漫画についても読んだのまとめようかなあ。