白夜の空

まんがタイムきらら作品の感想とか。

まんがタイムきらら2023年3月号感想

例によってきらら感想です。

 

 

 今月も表紙はアニメ化決定の星屑テレパス。2月らしくバレンタインチョコを差し出し微笑む海果。普段は困惑したりビビったり泣いたりしてばっかりの海果ですけど、こういう大人っぽい表情も似合いますね…。

 

 アニメ版星屑テレパスのスタッフも公開されましたね。

 『ゆゆ式』のかおり監督と『きんモザ』のStudio五組ということでとても期待。ゆゆ式アニメは原作の空気感の再現がたいへん良かったので今回もよいアニメになるとよいですね。

 

『星屑テレパス

 扉絵はなんだかサイバーな感じの衣装に身を包んだ瞬ちゃん。おなか細くてかわいいね…。

 先月のラストでラジオから聞こえてきた宇宙語はほんとうに宇宙人でした。ロケット関連のテーマに関する丁寧にリアルな描写と、こういったファンタジー要素が両立してるのは独自性の高い作風に貢献していますね。

 そんな中、必死に宇宙人へ呼びかけるユウが「仲間」と呼んだことに明らかにショックを受けているのは海果。「悪い宇宙人」といい進むにつれて不穏な要素を散りばめてきますが、「おでこぱしー」なしでもふたりの気持ちが通じあうときまでのヒキと認識しておりますので4巻末あたりまでには解決してほしい。

 そして宇宙人から残されたのは謎の数列。通信が切れてしまったことで暗い雰囲気になってしまった一行を気遣って、あえて芝居かかった口調で暗号の解読をかって出る瞬ちゃんの成長はほんとうに著しいですね。

 『瞬ちゃんが一晩でやってくれました』な次回が楽しみです。

 

けいおん!Shuffle』

 合宿を終えて帰宅する途中に、宇宙猫みたいな背景で思索を巡らせていたら迷子になっている楓さん。この子大丈夫なのかな…。

 Shuffleのメイン3人は全員成績はいいのに三者三様にアホで見ていて楽しくなりますね。

 そして楽器屋から流れるベースに引き寄せられて入ってみたらそこには前作『けいおん!』の澪さんが。久しぶりですけど作画の進化によってだいぶ別人ですね。

 マイペースでグイグイ来るうえにアホな楓と人見知りな澪はおおむね最悪に近い相性でしたけど、勝手に納得して帰ってしまったのはもったいないね?その子君がバンド始めるきっかけになった運命の相手ですよ…?

 

『きもちわるいから君がすき』

 『『探偵依子』出陣だあ~!!!!』じゃないんですよ。この作品ほんと毎回アオリ文が一番きもちわるいんですけどなんなの。

 偽手紙の主を探し出してCHIMATSURIに上げるため筆跡鑑定に乗り出してしまった依子さん。もはやこの程度の能力とバイタリティでは驚きません。

 そして廊下で倒れそうになった依子を支えたときに触ってしまった胸の感触を反芻する司さんはかわいいですね。謎のポエムまで読んでたりと、依子さんとはベクトルが異なるもののきもちわるさアピールに余念がない。依子さんの行動がつねづね印象に残るおかげで忘れがちですが、『きもちわるいから君がすき』というタイトルは司さんの側にもかかっているんですよね。それぞれ内面も行動もぜんぜん違うメインキャラ達ですが、それぞれのかわいい面やピュアな面はしっかり見せながらも、四者四様にきもちわるくて本当に素晴らしいバランスを保っていると思います。きもすき、きもすぎ~~~~~!!!!!。誰だよこのキャッチコピー考えたやつは。

 その裏では先月から参戦してしまった図書委員こと神戸霧乃さんが透ちゃんと絆を結んでしまいました。言ってることはまったく間違っていないし彼女のことを気遣っているのも事実ではあるんでしょうが、いちいち不穏な物言いがちらほらしていますね。読者側からみて不穏そうな発言をするときにはしっかり逆光表現がなされているので、なんらかの含みがあるのは間違いなさそう。単なる執着心の現れなのか、もっと深い内面が隠れているのか…。

 そして案の定偽手紙を書いたのは霧乃さんでしたね。「悪い人が来るからね」という発言といい、自覚的に透ちゃんをモノにしようとしているようですが、どういう理屈で偽手紙を司さんに渡したのでしょうか…?

 普通に考えたら二人をくっつけるなりより意識し合うように仕向けることで、「浮いた」透ちゃんの心の間隙につけ込もうとするとかですけど、そういう普通の思考をするひとなんですかねえ。依子&司よりは多少まともな内面には見えますが、まだまだ底が知れないところばかりなので今後の暗躍が気になって仕方ないところ。どっちにしろ透ちゃんはもう逃れられないでしょうからあきらめてください。かわいそうはかわいい。

 

『好都合セミフレンド』

 ゲスト作品。作者の千種みのりさんは結構有名なイラストレーターなんですね。以前にもゲスト掲載はあった方みたいですが、失礼ながらぜんぜん記憶にありませんでした。

 カラーページ1Pめがわりと硬質感のある感じでちょっときららのよくある感じとは離れてるかなーと思いましたけど、2Pめのデフォ演出でぜんぜんそんなことなかったですね。むしろ最近の流行りっぽい絵柄だった。寮生活初日からルームメイトが女連れ込んでたらそりゃああいう反応しかできないですよね…。

 セフレを連れ込みまくっている同室のルカさんですが、「実際そういうことしてる訳じゃない」て言っちゃったのはちょっと日和りを感じてアレですね。流石にそこまではきららコンプライアンスが許さなかったということなのか…。

 そして人見知りなのに知らん女を連れ込まれまくるとかたまらんというまっとうな理由から、よくわからないまま自分が「せふれ」になることを提案してしまう珠海(すうな)さん。「嫌じゃなかった」ととか余りにもチョロすぎませんかと思うのですが、ルカさんのほうもちょっと接近されて押されたらたじたじになってるので、ぜんぜんいうほど大したことなさそうですね。

 煩悩というか妄想まみれでぼっちでよわよわな主人公はもう最近のきららだとスタンダードなほうになりましたけど、テンパって逆にグイグイ来るのに押し切られてしまうルカさんとは既にお似合いになりそうなのが見えていてわかりやすくて良いと思います。定番百合もののポイントをきっちり抑えた作風になりそうで楽しみですね。

 最近のゲスト作品のなかではかなり印象が良かったので、ぜひ連載昇格してほしいところです。

 

『My Private D★V』

 いつもの性癖暴露コーナーももう180回以上やってるんですね。いやほんとにこれひとつの企画としてすごいものだからなんとか書籍化してくれませんかね…。

 今月の登場はMAXの期待株『またぞろ。』の幌田先生。そのMy Private D★Vは「街」。…久しぶりに変化球がきました。

 人気のない街ってのは要はギャップ萌えみたいなものですし、夜の街の光の綺麗さとどことないいかがわしさに惹かれるのはよくわかります。わかりますが、幌田先生がもっと紙面にお出しできないような性癖を隠してこれを描いたのではないかという邪推ができてしまうのがよくない。

 

 今月は『好都合セミフレンド』が作画キャラストーリーと総合的にハイレベルでしたね。それ以外のゲストはちょっといまいちでしたが。